妊婦健診
Medical information妊娠中は鼻粘膜・歯肉・腟などの粘膜に生理的な変化を生じます。
エストロゲンや胎盤ホルモン濃度の急激な上昇により毛細血管抵抗の減少や血管壁の拡張による鼻粘膜の充血・腫脹を生じ、鼻づまりが生じます。
つまり、妊娠中に膣分泌物のおりものが増えるのと同じように、妊娠中は鼻の粘膜も肥厚して鼻水も多くなり、つまりやすくなります。粘膜が充血するので鼻血も出やすくなります。
また、妊娠前からアレルギー性鼻炎があった方の60%が妊娠により悪化すると言われています。
鼻づまりは2次的に、口呼吸によるのどの乾燥やいびき、睡眠時無呼吸などの悪化を招く可能性があります。
生活面の工夫としては、入浴や蒸しタオルによる蒸気の吸入、アロマテラピー(ティーツリーやペパーミント)をお試しいただければと思います。
鼻呼吸しづらくなり寝苦しくなるかと思います(>_<)
夜お風呂に入った時に、湯気で鼻くそが柔らかくなるので、お風呂上がりに鼻をチンして少しでも鼻の通りを良くした方がいいです♨️
また、鼻噴霧用の点鼻薬を少量から積極的に用いることが推奨されています。点鼻はいずれも妊娠や胎児への影響がほとんどないと考えられています。
①ケミカルメディエーター遊離抑制点鼻:インタール
②抗ヒスタミン薬点鼻薬:ザジテン
③ステロイド点鼻薬:ナゾネックス、アラミストなどです。
お気軽にご相談ください。
また、経験的に胎児に安全と考えられる花粉症の内服薬もありますのでご相談ください。
市販のナザールスプレーも使っていただいて大丈夫です。
主成分のナファゾリンは血管平滑筋のα受容体に直接作用し血管を収縮させ、鼻閉を改善させます。
局所にしか作用しない血管収縮薬であり、妊娠中も授乳中も安全です。
海外の権威的な教科書の「妊娠と授乳」にもナファゾリンは安全と記載があります。
ナザール使ってしまったと心配しないでください。
ちなみに、僕もナザール愛用していますし、医者にも使っている人多いです☺️
<寝苦しい>につきましては、下記の当院記事もよろしければご覧ください。
【妊婦健診】寝苦しい(>_<) 寝る向きは?💤 左を向いて寝ないといけない? 上向きじゃだめ?
この記事を書いたクリニック情報
クリニック名:とまり木ウィメンズクリニック 武蔵小杉
院長:鈴木 毅 (すずき たけし)
診療科目婦人科・子宮がん検診・妊婦健診・ 漢方内科・ピル