女性内科 / 漢方 / 更年期
Medical information大丈夫です。基本的にそのまま内服継続して問題ないですが、
少量の出血が2週間以上続いた場合と、もっと多くて生理くらいの量が3日間以上続いた場合は、休薬期間ではなくてもいったん4日間休薬してから再開したほうがいいです。
内服してから日が浅い初期に多いといわれ、服用を続けることで安定してきます。
シートの1週目よりも、2週目の後半や3週目に起こりやすいです。
内服する時間を一定にした方が安定するケースもあります。
(寝る前に飲むようにしていても、仕事が長引いたりして帰宅時間が遅くなるようであれば、22時等時間を決めて内服する)
体調を崩したり、インフルエンザ等にかかったり、人間関係のストレスでも起きることはあります。
不正出血の医学的な原因は、ピルに含まれるエストロゲンで厚くなった子宮の内膜が血行障害により壊死を起こして剥がれる破綻出血と言われています。
休薬期間の出血よりも少量の出血が持続することが特徴的ですが、時には生理のような出血量が出ることもあります。
・ピルを飲んでいる間(1日目から21または24日目まで)は、ピルに含まれている女性ホルモンが子宮の内膜をはがさないように抑えています。
・休薬期間に入る(=ピルを飲むのをやめる)と、内膜をはがさないようにしている女性ホルモンの量が一気に減るので、内膜は『はしごを外される』ようにどどっとはがれて、出血が起こります。
・つまり、ピルを飲んでいるうちは内膜を剥がさないようにしています(=スイッチがオンの状態です)が、飲むのをやめて2-3日するとスイッチがオフになり、内膜がはがれて出血します。
ピルを飲み始めてから2-3ヶ月は、そのオンオフの仕組みにまだ体が順応してきていません。
そのため、ピルを飲む=女性ホルモンの血中濃度が高くなる=内膜が厚くなる=厚さに耐えきれず、内膜が不安定にはがれて不正出血になります。
休薬期間を2-3周期繰り返していくと、オンオフ機能がしっかりしてきます。
また、服用中に下痢や嘔吐、体調不良が続いた場合は、お薬が腸からうまく吸収されず必要量が足りないため、内膜の維持がうまくいかず少しずつはがれてしまいます。
・過労やストレスでも、同じように腸からの吸収がうまくいかない可能性があります。
ただし、長期間に渡って出血が続いたり出血量が多い場合にはご受診ください。
ガイドラインにも、妊娠やがんの確認を行い、問題なければ出血量にかかわらず、服用をそのまま継続すると記載されています。
腹痛も伴う時は、卵巣が腫れている可能性もあり、一時的にピルを中止したり、種類を変更することもあります。
そのまま継続して経過をみますが、出血が長く続いたり量が多い場合には止血剤の追加処方を致します。
止血剤としてはトラネキサム酸と漢方薬になります。
ピルとトラネキサム酸(トランサミン)は一緒に飲んでもいいか、血栓のリスクが増えないかとご質問いただくことがありますが、一緒に飲んでいただいて大丈夫です。
トラネキサム酸の止血効果のせいで血がかたまりやすくなり、ピルによる血栓リスクが高くなってしまうことはありません。
トラネキサム酸は美白効果もあり、美容皮膚科でもよく使います。ニキビ治療と美白のために、ピルとトラネキサム酸は併用して使うことも多いです。
また、ピルと痛み止めも一緒に飲んでいただいて大丈夫です。
ピルを飲んでも休薬期間の腹痛はゼロにならないことも多く、市販のイブなどの痛み止めは休薬期間前でも休薬期間中でも飲んでいただいて大丈夫です。
この記事を書いたクリニック情報
クリニック名:とまり木ウィメンズクリニック 武蔵小杉
院長:鈴木 毅 (すずき たけし)
診療科目婦人科・子宮がん検診・妊婦健診・ 漢方内科・ピル